歯の神経の治療(根管治療)は、歯を残すための最後の砦です。ところがこの治療、一般に公表されている成功率は決して高くありません。今日は、当院の33年の診療データと、成功率に差が生まれる理由をお話しします。
当院の実績と、一般的な数字
当院の1993年開院以来の診療記録では、根管治療の成功率は96%以上です(再発せず歯が機能し続けている割合・当院調べ)。一方、保険診療での根管治療の成功率は、一般に65〜70%程度と言われています。 同じ治療で、なぜこれほど差が出るのか。理由は特別な技術というより、細菌を入れない仕組みにあります。
理由1: 治療を1〜2回で終えること
根管治療の敵は、唾液に含まれる細菌です。治療のたびに歯の中を開ければ、そのたびに細菌が入る機会が生まれます。何度も通う根管治療は、それ自体が再感染のリスクです。 当院では1回の診療時間を十分に取り(1時間以上・並行診療なし)、根管治療を1〜2回で完了させます。開けている回数と期間を最小にすることが、成功率に直結します。
理由2: ラバーダム防湿
治療中の歯にゴムのシートをかけ、唾液が一切触れない状態を作ってから根の中を処置します。ラバーダム防湿と呼ばれる方法です。手間がかかるため省略されることも多い工程ですが、当院では根管治療に必須の手順としています。
理由3: 仕上げのレーザー殺菌
根の中の清掃と消毒を終えた最終段階で、レーザーを用いて根管内を殺菌します。器具の届きにくい細部まで処置したうえで、密封します。
神経を抜いた歯こそ、精密さが問われます
神経を失った歯は、痛みという警報装置を失っています。中で再感染が起きても気づきにくく、気づいたときには抜歯しかない、ということが起こります。だからこそ、最初の根管治療の精度がその歯の寿命を決めます。 他院で「抜くしかない」と言われた歯も、状態によっては残せる場合があります。まずは診断からご相談ください。