ホワイトニングを考える前に
歯の色は、表面に付着した着色、歯の内部の色、加齢による変化、過去の治療など、複数の要因で見え方が変わります。コーヒー、紅茶、たばこなどによる表面の着色は、歯の清掃で取り除ける場合があります。一方、歯の内部の色へ働きかける方法がホワイトニングです。
同じ「歯が暗く見える」という悩みでも、虫歯、歯の亀裂、詰め物や被せ物の色、神経の状態が関係することがあります。最初に口腔内を確認し、清掃で対応するのか、ホワイトニングを検討するのか、別の処置が必要なのかを分けて考えます。
ホワイトニングで得られる色調と変化の程度には個人差があります。希望する色、現在の歯の状態、施術に伴う注意点を確認したうえで選択します。
当院で使用する機器と薬剤
当院の既存GBP原稿では、オフィスホワイトニングに医療用Nd:YAGレーザーを使用し、厚生労働省認可の薬剤と組み合わせる方法を案内しています。Nd:YAGは「ネオジム・ヤグ」と読むレーザーの種類です。
LEDによる光照射とレーザーでは、機器から出る光の性質や薬剤へエネルギーを与える方法が異なります。機器名だけで選ぶのではなく、使用する薬剤、照射条件、歯と歯ぐきの状態を確認することが重要です。
当院では院長が施術を担当します。歯の表面、歯ぐき、詰め物や被せ物の位置を確認しながら各工程を進めます。使用機器や薬剤について分からない点があれば、施術前に確認してください。
色の記録と口腔内の確認
施術前には、現在の歯の色を色見本などで確認します。照明、唇の色、歯の乾燥状態によって見え方が変わるため、同じ条件で記録することが大切です。
虫歯、歯周組織の炎症、歯の亀裂、知覚過敏、露出した歯根がある場合は、ホワイトニングより先に状態を整えることがあります。薬剤が歯ぐきへ触れないようにするため、歯ぐきの形や出血の有無も確認します。
詰め物、被せ物、インプラントの人工歯などは、天然歯と同じ方法では色が変わりません。周囲の天然歯だけに色調の変化が出ると、既存の材料との違いが目立つことがあります。治療済みの歯がある場合は、どの範囲を対象にするかを相談します。
オフィスホワイトニングの流れ
最初に歯の表面を確認し、必要な清掃を行います。次に、薬剤から歯ぐきや唇を保護する準備をし、対象となる歯へ薬剤を塗布します。その後、定めた条件でレーザーを使用し、薬剤を除去して口腔内を確認します。
既存GBP原稿では、1回の所要時間をおよそ30〜40分と案内しています。実際の時間は、対象となる歯の本数、口腔内の状態、保護や確認に必要な工程によって変わる場合があります。
施術中にしみる感じや熱さなどがあれば、その時点で伝えてください。状態を確認し、照射や薬剤の扱いを調整することがあります。
起こり得ること
ホワイトニングでは、一時的な知覚過敏、歯ぐきの刺激感、口腔粘膜の違和感などが生じることがあります。歯の亀裂、歯根の露出、もともとの知覚過敏がある場合は、刺激を感じやすいことがあります。
歯の色調は均一ではなく、歯の根元と先端、歯ごとに違いがあります。内部の構造や着色の原因によって、色の変化にも差が出ます。白い斑点や縞模様が一時的に目立つ場合もあります。
妊娠中や授乳中、未成年、重い知覚過敏がある方、薬剤の成分に関する問題がある方などは、時期や方法を検討する必要があります。全身状態や服薬についても事前に伝えてください。
ホームホワイトニングとの違い
ホームホワイトニングは、口腔内に合わせたトレーと薬剤を用い、自宅で決められた時間装着する方法です。診療室で行うオフィスホワイトニングとは、薬剤の扱い方、使用時間、管理方法が異なります。
どちらか一方を選ぶ場合も、組み合わせる場合も、歯と歯ぐきの状態を確認します。自己判断で装着時間や薬剤量を増やすと、知覚過敏や粘膜への刺激につながることがあります。指示された使用方法を守ります。
市販品を含め、複数の薬剤を同時に使うことは避け、使用している製品があれば診察時に伝えます。
施術後の過ごし方
施術後は歯が一時的にしみることがあります。冷たい物や熱い物で刺激を感じる場合は、無理をせず状態を確認します。強い痛みが続く場合は連絡してください。
着色しやすい飲食物や喫煙の影響は、日常の摂取頻度や清掃状態によって異なります。飲食後に水ですすぐ、毎日の歯みがきを続けるなど、無理のない範囲で管理します。
時間の経過とともに歯の色の見え方が変わることがあります。追加の施術を検討するときも、間隔を自己判断で短くせず、歯と歯ぐきの状態を確認します。
相談時に確認すること
相談時には、希望する色のイメージ、対象になる歯、詰め物や被せ物との関係、知覚過敏の可能性、使用する機器と薬剤、施術後の管理を確認します。
ホワイトニングは、歯の状態を確認したうえで行う医療行為です。色だけでなく、虫歯や歯周組織、噛み合わせ、既存の治療材料も含めて口全体を確認し、自分の状態に合う方法を選ぶことが大切です。